簡単にまとめ:
小手先のテクニック(キーワード調整、タイトル変更、きれいな画像)で、
何とかできる時代は終わった。

・売れ筋商品を低価格で競争する

・広告を利用してイベントでブースト
・ニッチだが確実に需要のある商品

こうしたおよそクラフト作品販売には、
難しく不向きな方向に、
Amazonは進んでいるのが現在。

内部検索での上位表示が難しければ、
むしろAmazon自体をカートとして、
他から流入させることも検討するべきだ。


Amazonでクラフト商品を販売開始(2015年頃)

minneやCreemaなどのクラフト作品販売サイトで、
独自アパレル商品の売上が大きくなり、
確かなニーズを感じていた。

そうなりゃ欲だって出てくるもの。

当時からすでに最強のネットショップモールとして、
肥大化を重ねに重ねていたAmazonに出品する。
そう考え出すのも当然の流れだった。

当時minneやCreemaで、
1日の販売点数が20点ほど。
ここに販売力の強いAmazonが加われば、
ちょっと素敵な暮らしになるかもしれない。
そんな風に思っておりました。


販売開始、しかし無音・無風・無香料

……全く売れない。

ある程度の商品数をアップして、
待てど暮らせど、
販売通知は届かなかった。

2ヶ月も経った頃だろうか、
最初のTシャツ商品が売れ、
そこから詰まった水が流れ出すように、
少しずつだが売れてはいた。

そんなある時、
『Amazonマケプレプライム』
なんてサービスがスタートする。

当時の内容として
・1~2営業日以内に発送厳守
・配送は追跡可能が必須
・検索結果にプライムバッジが表示されて目立つ
・検索条件でプライム商品の条件が追加される

参加条件は
・高い顧客満足度
・配送期日が94%以上守られている
・月に20点以上の販売数

迷うことなく参加申し込み。
数日後、参加資格を与えられ、
またテスト期間の販売ノルマを達成し、
晴れてプライムバッジを獲得した。


プライム配送の罠

プライム獲得から、
Amazonでの販売数が爆上がり!

贅沢しなければ、
家族3人で暮らしていけるレベルに。

逆に販売開始当初から順調だったminne、
その販売数の伸びに陰りが現れ始める。

『でも、Amazonあるからいいもんね♪』

と、調子こいていたある日。
ぱったりとAmazonの売れ行きが止まる。
震える手でAmazonセラーセントラルを覗くと、
そこには……

『現在、お客様のマケプレプライムは停止されております』

という死の宣告だった。

原因を調べると、
こちらのミスでも、
悪い評価を付けられたのでもなかった。

配送をお願いしていた配送会社が、
プライム利用で指定されている配送業者から、
しれっと削除されていたのだ。

わかりやすいお知らせもなく、
発送時に警告が出るでもなく、
マケプレプライム参加資格関連の一項目で、
ひっそりと配送業者名簿から消えていた。

……一度審査を突破して、
その後順調なユーザーが、
参加資格の条件ページを定期的に見ると思うかね?

怒りや悲しみを通り越して、
半ば笑いを浮かべながら、
配送業者を変更の会議を開いていた。


FBA参加

プライムが外れて、
明らかに売上が減ったものの、
配送業者を指定の業者に変更したことで、
やがて自然にプライムバッジは復帰。

安定した日々を過ごしていた。

そんなある日、
一本の電話で我がchoco-rail(ショコレイル)は、
再びざわつき始める。

『FBAはじめませんか?』

Amazonからの営業電話である。
FBAとはAmazonの管理する巨大倉庫に商品を預け、
出荷と返品・カスタマーサービスを肩代わりしてくれる、
まさに夢のようなサービスだ。

しかし、僕達はそれを利用しようとしてこなかった。

理由は簡単で、
・FBAには在庫での専有面積に応じた保管料が掛かる(販売価格の上昇)
・在庫を抑えるために受注生産メインにしている(在庫を抱えるリスク)
・アパレル商品はサイズ違いでの商品数が多い(商品制作労力の増大)

これで売れなかった場合、
マイナスになるリスクが高いと判断していた。


最初の不審感

営業から提示されたメリットは、
非常に魅力的なものだった。

・FBA販売初期は優先的に順位が上がる
・FBA商品は信頼性が高く、多少価格が高くても売れる
・土日休日も発送してくれるから楽になる

もうね、二つ返事で参加決定でしたよ。

当時もっとも売れていた商品を、
FBA専用商品として変換するのは少し勇気が必要だったけど、
晴れてその商品はFBA商品として巨大倉庫にドナドナされていった。

期待いっぱい、夢いっぱい。

あっという間に完売しちゃったりとかね~なんて、
浮かれモードでいたのは言うまでもない。

─── しかし、倉庫から商品が出ていくことはなかった

まったく売れなかったのである。
3ヶ月くらいだっただろうか?
ひとつも売れなかったので、
倉庫から引き払い、
手数料を払って商品を取り戻した。

その後、
売れ筋だったはずの商品は、
FBAから出品者販売に戻しても、
しばらく売れない状態が続いた。
(だいぶ経ってから復活したが)

後々に再びFBAの勧誘電話が来た時、
この話をした所、
『あー、それはなにかエラーでも起きてたかもしれませんね』
とだけ言われたので、
それ以降FBAのには一切手を出していない。


Amazonマケプレプライムの離脱

コロナ直前だっただろうか?
突如としてマケプレプライムの参加条件が変更になり、
あきらかにFBAに参入しなくてはならないような、
一方的な変更が加えられた。

・土日祝日も発送厳守
・即日配送厳守

しばらくは頑張っていたものの、
この条件では最低でも15時までには、
出荷作業を終えていなければならず。
また休日を確保することが出来ない。

それらを守っていても、
あきらかにFBA商品の順位の方が優遇されていた。

休みがなくなり、
忙殺されているというのに、
明らかに販売数が落ちていったのだ。

今さら全商品をFBAに変更するのか?

いや、そんな事よりも、
商売する上でのパートナーの信頼性を考え、
マケプレプライムからの離脱を判断した。


海賊版の横行

ある日、セラーセントラルで在庫数を確認していた時、
その異変に気がついた。

出品されている最低価格に、
以上に安い価格が表示され、
自分で設定した正当な価格が異常値扱いされていたのだ。

つまり、うちの商品を半額近い値で販売している者がいる。
それもほとんどの商品でやられていて、
こちらもありえない金額まで下げないと販売すら出来ない状態に。

choco-rail(ショコレイル)の商品は、
もちろんオリジナルであり、
他に販売委託などもしていない。

勝手に販売しているユーザーを検索してみると、
複数のセラーが浮上してきた。
すべて販売者の住所が中国。

海賊版だった。

Amazonでの販売は、
自分のショップを出店する形ではない。
Amazon上にその商品のカタログを作成し、
そこで自分の設定した価格で販売する形式である。

つまり、
例え自分の商品だったとしても、
何者かが相乗りして、
低価格を付けられたら、
自分が販売することすらできないのだ。

即座にサポートに問い合わせ、
オリジナル商品の海賊版が出品されていると報告。

数時間後に戻ってきた答えは

─── それがあなたのオリジナル商品だと証明できません

つまり、僕自体が正当な権利の持ち主ではないと、
むしろ疑われたのである。
すでに10年、ずっとオリジナルで販売してきた、
唯一のセラーであるにも関わらず。


動かないサポートセンター

何度問い合わせても同じことだった。
そして、サポートセンターの担当者は、
今までとても頼りになる感じの日本人だったのが、
どこか返答に誤魔化しが多く、
カタコトの外国人ばかりになっていった。

サポートセンターが提示した対策は以下のもの。

・全キャラクターの特許をとること
・ロゴにも意匠特許をとること
・JANコードを取得すること

著作権などではなく、
商標権を取って証明しろ。

この辺りで起きていたことは何か?
Amazon合同会社の日本法人のトップが、
中国のトップに変わり、
明らかに方針が変わっていた時だ。

そうこうしているうちに、
売上トップだった商品の売上がぱったりと落ちた。

とうとう海賊版を購入したユーザーが、
『ひどい商品が届いた』として、
評価に最低の1を付けたのだ。

カタログを相乗りされることの実害である。
どんなに製品に気をつけていても、
他がひどい物を売りつけたら、
その評価はカタログの商品につけられる。

状況は最悪だった。


海賊版と中華業者との戦い

なぜ、日本の通販サイトで、
日本のセラーが追いやられ、
海賊版まで出されているのに守られないのか?

考えていても仕方がない。
未だカタログの編集権はこちらにあったので、
商品説明と商品画像に、
『choco-rail(ショコレイル)のオリジナル商品です
choco-rail(ショコレイル)以外の出品者は海賊版を扱っています』
と明記。

今はこの行為は違反として、
ランキング低下の上、
クーポンの作成やイベント参加が出来ないようになる。

もし、同じ様な対応で戦って来た戦友たちで、
『なんでAmazonでクーポン作れないんだろう?』
とか悩んでいる戦友がいたら、
理由はそれだから直した方が良い。

さらなる対処として、
敵の状況を調べることにした。

彼らは生粋のセラーなどではなく、
金を払って商材情報を買い、
相乗りからの海賊版を販売するのに適したカタログのリストをもらっている。

つまり我がブランドのカタログが、
彼らのリストに乗っているということだ。

相手はプロではなく、
たんに泡銭を稼ぐために相乗りし、
質の悪い海賊版を売りつけている。

それをAmazonは放置していた。

僕はディープラーニングの翻訳サイトを行き来して、
こんな内容の中国語のメッセージを作成した。

『この商品の著作権はこちらにある。
そちらに販売権を許可した覚えはない。
即時販売を取り下げなければ、
然るべき手段に出るぞ』

それを海賊版販売している中華セラーに、
直接メッセージとして送信していった。

効果は抜群だ!
送信した翌日には出品が取り消され、
なんならアカウントもなくなっていた。

しばらくはいたちごっこだったが、
これを繰り返しているうちに、
海賊版での相乗りはなくなった。

リストが修正されたのだろう。


広告費の異常高騰

海賊版の横行と低評価、
そしてコロナ禍による消費低迷、
中華、韓国の低価格商品の爆増。

明らかに手間をかけて生み出したクラフト商品を、
安心して出品し、
その対価を得られるには不安定に過ぎる状態だった。

コロナ当時の10万円給付金がくだられた時、
一時的に売上は600%アップするなんて事もあったが、
その翌年からは目に見える速度で、
全体の売上が低下。

30年変わらない給料、
物価の高騰、
光熱費上昇。

消費者の行動に現れすぎている。

そんな中、Amazonの売上と、
帳簿との数字を見合わせていたら、
信じられない事態に気がついた。

広告費が売上を超え、
完全な赤字になっていたのだ。

頭が真っ白になった。

広告は非常に低価格で設定し、
1日にストップが掛かる上限も低く押さえている。
にも関わらず、
その上限を遥かに超えた請求がされている。

上限が無視されていたのだ。

そんな現状を見ていたら、
それまでchoco-rail(ショコレイル)一本で続けていた生活に、
終わりが来たのだと絶望するしかなかった。

副業といって良いのか、
外で正社員として働きに出て、
夜に商品の制作と発送作業をする生活を始めた。


Amazonの楽天化

コロナ禍の影響から外でフルタイムで働くようになり、
それでもコツコツとAmazonで販売を続けてきて、
以前のようなワクワクや期待感は消え失せていた。

ネット上の記事では
『Amazonは中華商品ばっかでやめた』
『なにが届くか分からない』
なんてのもよく目にするようになっていたし、
実際その被害にあっていた時にも、
Amazonはまともに動かなかった。

なんとか生活を立て直し、
再び自営業一本での生活に戻したが、
Amazonの売れ行きは落ちたままだった。

海賊版業者に勝手に変えられたカタログの一部も、
サポートセンターに相談したが、
何も解決にならなかった。

そんな中、
Amazonの商品を見ていて思うのが、
NETSEAなどの海外業者からの輸入商品のラインナップと、
もうほとんど変わらなくなってきているということ。
(アパレルカテゴリではの話)

広告費も大きくかけなければ、
ほとんど意味をなさず、
低価格商品をいかにほじくるか。

そんな動きが見て取れるようだった。

一時楽天でも販売したが、
撤退した理由そのものだ。

当たり前に価値のある商品を、
最大の集中と敬意を払って販売していても、
安かろう悪かろうの波の中に埋もれてゆく。

これはクラフト商品を販売するのには、
適していない場所だと言わざるを得ない。


まとめ

自分の生み出すものに愛があり、
生み出すことに夢をもっているなら、
今のAmazonはあまりおすすめしない。

小手先のテクニック(キーワード調整、タイトル変更、きれいな画像)で、
何とかできる時代は終わった。

・売れ筋商品を低価格で競争する

・広告を利用してイベントでブースト
・ニッチだが確実に需要のある商品

こうしたおよそクラフト作品販売には、
難しく不向きな方向に、
Amazonは進んでいるのが現在。

内部検索での上位表示が難しければ、
むしろAmazon自体をカートとして、
他から流入させることも検討するべきだ。

普通に出品して、
人に見てもらえて、
制作を続けられるには、
違う流入方法も考えていくべきだと思う(2026.1月現在)