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システム開発のアレコレな記事ではありません。

勉強から逃げ続けていた息子が、
『高校受験を突破するまで』の、
わが家での地獄の戦いの実録です。


結果的に『自宅学習支援システム』は父親(僕)により開発され、
すこぶる役には立ちましたが、
この記事は成績ダダ落ちからの持ち直し劇場がメインです。

全国の塾でも利用されている
塾用の『TENsNAP』の記事はこちら
学習塾管理システム TENsNAP|学習理解度を可視化・指導を改善する分析支援システム を個人開発でSaaS構築した理由


子どもの最初のつまずき

家で宿題はやっている様子がある。
本人に聞けば『やっている』『大丈夫』と返答する。

学校の勉強で分からないことはないかと尋ねれば、
『まぁまぁできてる』と答える。

そんなやり取りは小学校の頃からあった。

そんな時の彼は、
なぜだか妙に大人びた答え方をする。

高学年になった時、
夏休み前の面談で担任から明かされたのは、
『提出物を全然出さない』
という思いもしない指摘。

結局、息子は『やっているフリ』だけをして、
実際は隠れてタブレットで遊んでいただけだった!

ノートや教科書を机に広げ、
親が来ると宿題をしているフリ。
親が去るとタブレットをひらく。

……コントかな?

もちろん成績はダダ落ち。
デジタルに逃避していただけなのだから。

元は勉強用にと与えたタブレットだったが回収。
あわてて塾を探して通わせることとなった。

結果、やや成績は持ち直し、
提出物もさかのぼって提出し直しすることも全うできた。

これが小学校6年間の中で、
単にゴムが伸び切る様に、
『中だるみを起こしただけだ』
その時はそう考えていた……

─── 地獄の入口をすでにくぐっていたとは思いもしなかった

※これと関わる子どもの心理についてはこちら
自宅学習をしない子に親が最初に見るべき3つのサイン


中学に入学

中学に上がり、
塾には継続して通わせていた。

本人も塾を嫌がる様子はないし、
家でも宿題をしているようだった。

しかし、成績はゆるやかに下降をたどっている。

同時に疲れているような様子が、
少しずつ増えていた。

そのうちに頭痛を訴えることが増えてきて、
塾を休ませ、
学校から帰宅後に寝かせることが度々起こっていた。

─── 無理をさせていたのだろうか?

何度か本人とも話し合ったが、
『いや、べつに大変じゃないよ』と、
妙に大人びた答えが返ってくるだけだった。

彼に何が起きていたのか?
それはすぐに分かることとなる。

※これと関わる詳細記事はこちら
宿題はやってるのに成績が上がらない子に共通すること


中2の通知表でまさかの『英語 1』

自宅で仕事を終え、
そろそろ夕飯を作ろうとリビングへ向かうと、
テーブルの前に棒立ちする息子と、
頭を抱えてテーブルに突っ伏している妻の姿があった。

中学2年の夏休み前、
一学期の終業式を終えた息子の持ち帰った、
成績表が妻の前に広げられていた。

「あんたねぇ……
成績で『1』を取るなんて普通にやっていたらありえないんだよ。
これで推薦も受けられなくなるんだけど?」

いつもは朗らかで物腰の柔らかい妻が、
非常にハスキーな声色と、
Vシネマのそのスジの人みたいな視線を息子に向けていた。

─── は? 『1』とったの? 誰が??

僕自身、中学の中だるみで『2』を一教科で取ってしまったことはある。

あの頃は相当にサボっていたし、
学校で勉強することから、
全く別のことに頭が飛んでいた時のことだ。

恐る恐る息子の成績表を覗き込むと……

『2』が3つ、
英語に『1』がついている。


成績表の評価に『1』がついた理由

面談をして来た妻から聞いたことには

『テストで点が取れないのは仕方がないです。
授業中にボーッとしているのは分かっていました。
でも、私が許せないのは一度として提出物を出さなかったことです。
目を覚まして欲しいという思いでこの評価にしました。』

英語担当の教師の言葉である。

そしてそれは英語だけのことではなかった

全ての教科において、
宿題や課題は全く出しておらず、
授業中はただただボーッとしていたと言う。

本人に理由を尋ねると

─── 面倒くさかったから

この家庭始まって以来、
両親からそろって落とされる、
最大級の大落雷。

成績以前に、
『人として約束を守るということ』
『なぜ勉強が必要なのか』
『やっていると親に嘘をつき続けたこと』

この3点においては、
子どもに教えるというより、
同じ人間として語らざるを得ない状況だった。


デジタル逃避ふたたび

では、
小学校時代にやらかした
『やっているフリ』を続けてまで、
彼は自室で何をしていたのか?

まさかと思い、
自宅Wi-Fiの使用量をPCで確認すると、
1日平均10時間の使用

?????

夫婦共にスマホはよく開くが、
せいぜいが仕事含めて、
多く見積もっても3時間だろう。

本人に直撃すると『知らない』とシラを切ったものの、
あの『妙に大人びた応え』そのもの。
小学生の時のアレである。

物的証拠から問い詰めた結果、
彼の部屋から押収されたのは、
僕が以前使用していた古いスマホ。

いつの間にか、
親の部屋の引き出しから着服し、
部屋に隠し持ってずっと動画サイトとゲーム三昧

1日10時間以上もそんな事をしていれば、
そりゃあ頭痛も起こるだろうし、
夜中も布団に隠れて見ていたのだから、
授業中にボーッとしているのは当たり前だ


生活から立て直す

隠し持っていたスマホをもぎ取り、
彼に1日のスケジュールを書かせる所から再スタート。

塾も辞めさせた。

結局、そもそもの目標も何も無い彼は、
塾でも同じ生活をしていただけのことで、
やはり課題も無視していれば、
受講中もボーッとしていただけだと判明したからだ。

夏休み中に、
宿題をする時間
今まで無視した課題や提出物を全う
ボロボロな1年の頃の範囲の問題集を解く
これは絶対条件。

起床から就寝まで、
スケジュール通りにやらせ、
寝る前に必ず1日の成果物を親に見せる。

そのために夕食の時間を早め、
入浴時間も沿ったものに変更し、
親もそのために生活スケジュールを変えた。

もう家族総出での出直しである。

……が、まだ僕は甘かったようだ。
すぐにそれを知ることとなる。


デジタル依存症(スマホ依存症)

中学2年の夏休みを終え、
彼はいつもより速く完了した宿題と、
今まで無視して来た大量の提出物を持って行った。

夏休みが終わっても、
学校時間を含めた1日のスケジュール表を作らせ、
その通りに進めていくと約束している。

これで闇は抜けるだろう。

そう考えていた矢先、
9月末ごろに、
出先の僕のスマホに一通のメールが届いた。

『先月のWiMAX使用量は、80GBです。
1日の平均使用時間は12時間でした』

?????

一時呆然としたが、
夏休み中に感じていた違和感とともに、
全て腑に落ちた。

WiMAXは一時期必要になり、
出先でも安定した通信ができるようにと契約したもの。

その後に生活スタイルが変わり、
使用しなくなったのだが、
4年契約縛りがあるために継続していたサービス。

もう少しで解約できる時期が来るのでと、
使わずにしまっておいたアンテナ端末。

80GBという巨大なデータ量、
1日平均12時間という長時間の使用、
それが先月の夏休み期間中に使用されていた事実

そして夏休み中に感じていた、
息子の毎日の成果物への疑問。

『1日中やってる割に少なくないか?』

帰宅するなり、
息子の部屋に突入。

「知らない」を通す彼の応え方は、
やはり『やけに大人びた応え』でしかない。

最後に念を押し、
シラを切る彼の前で、
彼の布団の枕をひっくり返す。

取り上げて隠しておいたタブレットと、
WiMAXのアンテナ端末がそこにはあった。

夏休みが始まるなり、
親の部屋に忍び込み、
隠されていたタブレットと、
WiMAXのアンテナ端末を持ち去っていたのだ。

自宅Wi-Fiは前回の事件の時に、
パスワードを変えていたので、
アンテナ端末が必要になったのだろう。

ここまで来ると、
寒気すら背中を突き上げていた

これまで僕は息子を感情的に叱るなどはしてこなかった。

分かる様に説明し、
冷静に話すことで、
これまでの関係を培ってきたつもりだった。

冷静な会話のやり取りでは、
もう彼は応じてくれない。

父子関係の中で、
今までで初めて、
怒りの感情をぶつけるという愚行。

僕が一番嫌いなこと。
でも、それが必須な場面だった。

その夜、
彼は僕の元に学校用のタブレットを持って来た。

─── もう自分ではコントロールできないから、お父さんが持っていて欲しい


離脱症状と半減期?

事件以後、
父子の関係はどこかギクシャクしていた。

普段、なにかしら馬鹿話をしていた会話もなくなり、
ただ必要なやりとりのみ。

彼が怯えたから?
僕が許していない?

どちらも正しくはない

結局、彼から自発的に謝られたこともなければ、
今後どうするかの展望や思いを、
一切聞いていないから。

何を思っているのか、
全くわからない相手になってしまったのだ。

しかし、
完全にデジタル逃避をする手段を失い、
彼は段々と人間味を取り戻して来た。

ある日、彼から話をしたいと、
ここまでの心境を語りだした。

『すごく後悔している』
『勉強をすること、やっと意味が分かった』

そうして最後にポツリと
─── ごめんなさい


子どもが『どこでつまずいたのか』わからない

そこからは『どこか他人事』な感じが抜け、
彼自身が地に足をつけて取り組んでいるのが分かった。

ただ、あまりに長い時間、
逃げに逃げすぎたは確かで……

基本的な学力や知識が足りず、
懸命にもがいても、
だんだんと周囲から置いていかれる状況に。

どこからやり直せば良いのか
何がわからないのかが分からない
何からはじめればいいのかすら分からない

再度、塾を考えたが、あきらめた。
断られてしまったのだ。

他も探せば受け入れてくれる所もあったかもしれない。

それでも自宅学習に進めた理由は、
彼自身が向いていないと判断したからだ。

そうして、
彼はどこでつまずいたのかを探すところから始めた。

※ここに関わる詳細記事はこちら
子どもがどこで勉強につまずいたかわからないときの見つけ方


自分が不理解なものは言葉にできない

小学生の頃から、
彼が勉強について聞かれると、
連発していた『大丈夫』や『まぁまぁ』などの返答。

思えばあまりに曖昧で、
具体的な返答は一度もなかったと思う。

僕自身、
小説を書いたりする身なので、
この辺の感覚は理解できた。

『自分が不理解なものは、言葉にできない』

適切に表す言葉であったり、
正規表現でなくても伝えられる言葉であったり、
全く別の言葉でも表現する手法がある。

これらの場合、
根本的に対象となる現象や情景を、
自分の中で理解していなければ、
ただの言葉遊びになる。

逆に読みやすくするために、
適切な熟語や言葉があっても、
それらを崩してやさしくすることも。

息子はおそらく、
『わからない』を否定的に捉えていたのではないだろうか?

『わからない』自分を悟られまいとするために、
表情や声色で平静を装い。

できる限りマイナスなものがないと思わせるために、
あっさりと返答することで、
否定的な正規表現を逃れた。

これがもう少し、
あきらめの早い子なら、
『何がわからないのか、わからない』
と教えてくれただろう。

または、
否定的な事柄に不機嫌で返すタイプだったのなら、
『うるせぇ!』
といった反抗期丸出しな方向にいったのかもしれない。

『わからない』との接し方にも個性があるものだと思う。


■振り返り・さかのぼり学習は必要か?

閑話休題。

色々と放り捨ててきてしまった彼が、
どこまでさかのぼり学習をするべきなのか?

そりゃあできるなら全てに決まっている。
だが、これは受験に向かうまでの時限つきなのだ。

受験までに続く必要範囲はまだある。
それに上乗せして振り返り学習をして、
全てを丸く収めるには、
時間も体力もない。

先に進んで理解することで、
それ以前の相関関係にある知識を、
突然に理解することだってある

もちろん、
それを学習していなければ、
まるで立ち行かないこともある。

これらを見極めれば、
限られた時間で効率化することは可能だろう。

まずはどうしても立ち行かない問題に関わる分野。
そこに必要な単元の学習。
そして、今現在の問題へ理解しようとして立ち向かう経験

これらが必要だと考え、
有料の一斉模試を毎回受けさせることにした。

こういったサービスであれば、
事細かな単元の正誤、
得意分野・苦手分野が分かりやすい分析データがもらえるからだ。

これを利用することが、
彼の理解度を見極めるのに役立つと考えた。

学校の定期テストでは、
範囲が限定的過ぎて、
過去を振り返るのにはちと難しい。


自宅学習支援システムという発想

一斉模試を受けること数回。

非常に事細かな分析結果を見比べて、
だんだんと苦手分野が浮き彫りになり、
潰すべき単元が見えてきた。

ただ、
これは僕の思い違いなのかもしれないが、
僕が昔受けていた模試に比べて、
出題数が少なくなった気がする。

だいぶ彼の解像度は上がったものの、
まだもう少しストレートな指摘が欲しいと思った。

そんな中、
僕自身が続けている事業とは別に、
新たに立ち上げた事業とリンクする部分が出てきたのだ。

アプリ開発・システム開発

ちょうどその時に開発を終えてリリースしていたのが、
『小難しい市役所の書類や手紙を、最大3行まで要約するスマホアプリ』だった。

(このアプリに関してはこちら ⇒ CH-OCR|行政の手紙を読みやすく

外国人労働者や高齢者向けの手助けになるかもしれないと考え、
スマホで撮影するだけで、
AIが重要な部分を抜き出して、
分かりやすい文章に段階的に要約する。
(単にAIに要約だけさせると、非常に危なっかしいので、そうならないように設計したアプリ)

この技術を応用すれば、
AIが読み込んだ重要な部分から、
弱点分析も可能なんじゃないか?

そうして僕は息子の弱点を探し出すアプリを開発するに至った。

※このアプリを大きく進化させたのがこちら
TENsNAP家庭用 | AIが「つまずきの根っこ」を特定。小中高12年間の学習ログ


残酷なまでのAIの正確性

完成したシステムに、
息子の答案用紙を放り込んでみると、
ああもう……出るわ出るわ

ただただ羅列されるだけだと分かりにくいし、
より教科書の単元の言葉に近づけたり、
単元の前後の関わりから重要度の低いものは弱めたり。

なんなら以前の試験結果と比較して、
成長度も見たいなぁとか、
機能と精度を何度も何度も調整しつつ。

息子の酷い点数の答案を、
毎日繰り返してスキャンしながら、
機能を調整する作業は暗澹とした気持ちになったものだ(震)

『壊滅的な状況です。このままでは合格は不可能』

とか言われて吐き気までした事も。
AIに人の心はありませんからね。
(そもそもそういう血も涙もない調整にもしたが)

しかしこれが、
よりやるべき事を集約するのに役立ったのは、
言うまでもない。

無駄な振り返り学習を少なくし、
効率的に学習要件を絞れたと思う。

完全に手遅れだった所も含め、
苦手教科の無理な克服はせず。

得意科目と普通科目を底上げして、
第一志望校を射程圏内に収めることに成功した!


高校受験へ挑む

そうして迎えた受験シーズン。

最初に滑り止めに受けた試験の日、
彼に出来を聞くと、
『うーん、まあ、できたよ』

……これはまさかあのアレか

とか、曖昧な応え方に疑心暗鬼にもなったが、
なんてことはない、
数日後には合格通知が舞い込んだ。

そして本命の公立高校入学試験。
彼に出来を聞くと、
『うーん、まあ、できたよ』

……これはまさかあのアレか

とか、曖昧な応え方に疑心暗(略

結果は合格。
晴れて彼は高校生となった。


まとめ

子どもそれぞれ多くの理由があるでしょうし、
様々な表現の形があるでしょう。

僕らが中学生だった頃と比べて、
怖い先生の強制力や、
強烈な詰め込み学習はなくなっている。

その分、
使命感を持つに至る事は少ないだろうし、
『なにくそ』みたいな昭和のど根性も、
もう通じない時代だと思ったほうが良いのかもしれない。

いきなり目標を持てと言われても、
それが難しいのは今も昔も、
大人も子どもも変わらないのだし。

だから
『できることから』
『手にあるものを育む』
『苦手克服は本筋を邪魔しない程度に』
と、
何かを成長させる基本中の基本に帰るのが、
鉄板なのかもしれない。


おまけ

↑ブログの内容からGeminiさんにアイキャッチ画像をお願いしたら、
サイコホラーなものが出来上がって笑った
田中って誰だろう?
(一瞬、病んだ山崎まさよしかと思った)

↓そして僕と息子のエグい戦いから生まれた
わが家の救世主ともなったアプリが、
塾のプロ用と、
家庭用としてサービス開始しています。

ご興味があればご活用ください。

TENsNAP家庭用 | AIが「つまずきの根っこ」を特定。小中高12年間の学習ログ