47歳、AIに志望動機を丸投げしたら、とんでもなく優秀な私が完成した

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47歳、女性。
生活費が危うくなり、久しぶりに本格的な転職活動を始めた私。

前回は、時給1,400円の採用を辞退して1,700円の仕事に賭けたら落ち、さらに月給35万円のデザイナー正社員にも落ち、ついでに別の派遣会社からの信用まで失いかけたというお話でした。

仕事は決まっていないのに、失うものだけは順調に増えております。

さて、ここまで書類選考で落ちたり、選考を待っているうちに別のチャンスを逃したりと、なかなかうまくいかない転職活動。

そろそろ何かを変えなければ。
そこで、私が目をつけたのがAIでした。


志望動機と自己PR。そもそも何を書けばいいの?

私は昔から、自己PRや志望動機を書くのが苦手。
職務経歴書なら、まだいい。
何年から何年まで、どこで、どんな仕事をしていた。
これは事実を書けばいい。

ところが自己PRとなると、急に手が止まります。
「あなたの強みを教えてください」

……。 強み。えーと。

仕事はちゃんとやってきたつもりです。
デザインの仕事も長く経験しましたし、人手が足りないときには事務の仕事を引き受けたり、別の部署の手伝いをしたりもしました。

でも、それをどう立派な文章にすればいいのか分からない。
「いろいろやってきました」
ではダメなのか。

「頼まれた仕事はなるべく断りません」
これも自己PRになるのか。

そもそも、47歳にもなって自分の長所を堂々と語るというのが、なかなか照れくさい。
しかも応募するのは、長年やってきたデザイン職ではなく、事務職が中心。
事務経験はあるけれど、専門職として何年も勤めたわけではありません。

ここで「事務のプロです!」なんて書くわけにもいかない。
困った。

自分のことなのに、自分をどう売り込めばいいのか分からない。
そこでAIの出番です。


AIに求人票を貼り付けて、志望動機を作ってもらう

やり方は簡単。
まず、自分の経歴やできることをAIに伝える。
デザイナーとして働いてきたこと。
事務のピンチヒッターをしたこと。
伝票処理や請求書・見積書の発行、電話対応などの経験があること。

そして、応募したい求人の仕事内容をコピーして貼り付けます。

最後に、
「この求人に応募するための志望動機と自己PRを考えてください」とお願いする。

すると、あっという間に文章が出てくる。
しかも、これがまた立派。
たとえば、こんな感じです。
※以下は当時のやり取りをもとにした再現例です。

AI:「これまで培ってきた幅広い業務経験と高い対応力を活かし、正確かつ迅速な事務処理を徹底してまいりました。多様な業務に柔軟に対応し、ミスのない業務遂行と円滑な組織運営に貢献できると考えております」

……。 おまえ誰や?

いや、私の経歴をもとに書いてくれたのは分かります。
でも、ずいぶん仕事ができそうな人が出てきましたね。

「高い対応力」
「正確かつ迅速」
「ミスのない業務遂行」

そんなに立派な人だったかな、私。


最初は「自己PRって、これくらい盛るものなの?」と思っていた

ただ、最初からAIの文章を疑っていたわけではありません。
むしろ、
「私が今まで自己PRをあっさり書きすぎていただけで、世の中の人はこれくらい堂々と書くものなのかもしれない」
と思っていました。

だって、転職活動では自分をアピールしなければならないわけですから。
謙遜ばかりしていたら、採用してもらえません。
なので、最初の頃はAIが作った文章を、ほぼそのまま使うこともありました。

しかし、何件か応募書類を作っているうちに、だんだん気になってきました。
「完璧にこなせます」
「ミスなく対応できます」
「即戦力として貢献できます」

……。いやいやいや。
そんなこと、言い切って大丈夫?
私、割とミスするよ。かなりぼーっとしてるし。
事務経験だって、そんなに長くないよ。

入社して初日から何でもできる人みたいになってない?
これで面接に呼ばれて、
「では、具体的にどのような高度な事務処理を担当されていたのですか?」
なんて聞かれたら困る。

AIが採用されるわけじゃないんです。働くのは私なんです。

ここで、ようやく考え方が変わりました。


「完璧にできます」を「頑張ります」にしてもらう

それからは、AIが作った文章をそのまま使うのをやめることに。
まず、出てきた文章を読む。
「いや、そこまでできません」と思った部分を修正してもらう。

たとえば、
AI:「これまでの経験を活かし、正確かつ迅速な業務遂行によって即戦力として貢献いたします」

私:「事務の専門経験は短いので、即戦力と言い切るのは違う気がします。経験を活かしながら、新しい仕事も覚えていきたいという感じにしてください」

AI:「これまでの業務で培った事務処理の経験を活かしつつ、新しい業務についても積極的に学び、着実に仕事を身につけていきたいと考えております」

おお。
それなら言える。
これなら、面接で同じことを聞かれても、自分の言葉として説明できる。

こんなふうに、2~3回やり取りすると、だんだん納得できる文章になってきました。
もちろん、AIが書いたものをそのまま採用するのではなく、気になるところは自分でも書き換える。

AIに自分を立派にしてもらうのではなく、自分の経験を立派に伝えてもらう。

この違いが、ようやく分かってきた気がしました。


求人ごとに志望動機を考えるのが、かなり楽になった

これができるようになると、応募書類を作る負担がかなり減りました。
なにしろ、応募する会社ごとに仕事内容が違います。
事務といっても、一般事務、営業事務、総務事務、経理補助など、いろいろあります。
そのたびに志望動機を一から考えるのは、なかなか大変。

しかも私は47歳。
長年のデザイン経験はあっても、事務職としては経験が浅い。
どうすれば、今までやってきたことを応募先の仕事につなげられるのか。
自分一人では、なかなか言葉が出てきませんでした。

でもAIなら、求人内容を見ながら、
「この経験は、今回の仕事にもつながりそうですね」
という形で文章を組み立ててくれます。
もちろん、その内容が本当に自分に当てはまるかどうかは確認が必要です。

でも、何もないところから考えるより、ずっと楽。

白紙を前にして固まっていた時間が、文章にツッコミを入れる時間に変わりました。


そしてAIは、転職活動中の話し相手にもなった

もうひとつ助かったのが、気持ちの面。
転職活動って、思っていた以上に孤独。(落ちまくってる話はなかなか他の人には言えない)

応募する。
待つ。
落ちる。

また応募する。
待つ。
落ちる。

これを繰り返していると、だんだん自信がなくなってくる。

47歳だからダメなのか。
事務経験が少ないからか。
そもそも、私を採ってくれる会社なんてあるのか。
そんなことをグルグルと考えだす。

AIに応募書類を相談していると、ついでにそういう話もするようになりました。
すると、別の考え方を示してくれたり、応募先に合わせて経験を整理してくれたりします。
もちろん、AIが励ましてくれたからといって、採用されるわけではありません。

いくら褒めてもらっても、採用通知は出てこない。

そこは現実です。
でも、ひとりで悶々としているよりは、ずっと気が楽でした。
自分の考えを文章にして、返事をもらう。
それだけでも、頭の中が少し整理されます。

応募書類の作成係として雇ったつもりが、いつの間にか転職相談員まで兼任していました。
しかも無料。
ありがたい時代になったものだ。


47歳、人生初のAI面接を受けることになる

そんなある日、応募した求人の選考で、AI面接を受けることになりました。

AI面接。
人間の面接官ではなく、AIを相手に質問に答えるというものです。

……。 何それ。

若い頃の私だったら、きっと嫌がっていたと思う。
「人の面接でも苦手なのにAIって何よ」
「無機物相手に話すのもな」
そんなふうに考えていたかもしれません。

でも、この頃の私は少し違いました。

今この時代、47歳で転職活動をしなければ、こんな経験をすることもなかったんだろうな。

そう思うと、何だか面白くなってきた。
受かるかどうかは、もちろん大事。
でも、せっかくなら体験してみたい。

転職活動を始めた頃にはなかった、ちょっとした好奇心が出てきました。


AI面接にもYouTubeで予習して挑む

とはいえ、何の準備もしないわけにはいきません。
そこで、YouTubeでAI面接について調べてみました。
本当便利な世の中です。
何か分からないことがあれば、だいたい誰かが解説してくれる。

質問の傾向や、受け答えのポイントなどを確認して、一応の準備をしました。
実際に受けてみると、YouTubeで紹介されていたような質問も出てきました。

おお、本当に出るんだ。
予習しておいてよかった。
ただ、実際にやってみると、これがなかなか難しい。

どのくらい間を空けて答えればいいのか。
目線はどこに向ければいいのか。
自分の答えがどう解釈されているのか。
そもそも人ではなくAIだと何か難しい事言ってる感が2割増す気がする。

人間相手なら、表情や相づちを見ながら話せる部分もあります。
でも、AI相手では勝手が違います。

普段はAIに文章を作ってもらっているのに、今度は私がAIに評価されている。

立場が逆転してしまいました。


結果は不採用。でも、やってみてよかった

さて、人生初のAI面接。
結果は、

不採用でした。

はい。また落ちました。
もう、この頃になると不採用通知にもだいぶ見覚えが出てきています。
とはいえ、今回は少し違いました。
もちろん採用されなかったのは残念です。

でも、AI面接というものを実際に体験できた。
そのこと自体は、結構面白かったのです。
転職活動を始めなければ、まず経験しなかったこと。

47歳になって、こんな新しい体験をするとは思いませんでした。
仕事はまだ決まっていません。
でも、少なくとも知らなかった世界をひとつ知りました。

不採用通知と引き換えに、社会科見学をしてきたようなものです。

いや、できれば採用通知も欲しかったですけど。


AIは便利。でも、自分の代わりにはなってくれない

今回、AIを使ってみて分かったことがあります。
志望動機や自己PRを考えるとき、AIは本当に便利。
自分では思いつかなかった表現を提案してくれるし、求人に合わせて文章を組み立てるのも得意。
でも、AIが作った立派な文章をそのまま使えばいいかというと、そうでもない。

大切なのは、その文章を自分が納得して使えるかどうか。

「完璧にできます」と書いても、実際に完璧にできるわけではないし。
「即戦力です」と書いても、入社初日から何でも分かるわけでもない。
面接で聞かれたとき、自分の言葉で説明できること。
これが一番大事なのだと思います。

もっとも、この時点では、私はまだその難しさを十分には理解していませんでした。

AIと一緒に作った志望動機。
自分なりに直して、納得した文章。
それを持って、今度はいよいよ人間相手の面接に挑むことになります。

ところが。

文章で書けることと、人間を目の前にして口から出せることは、また別の話だったのです。

しかも、次の面接では一般教養の試験まで待っていました。
47歳、久しぶりに学生気分を味わうことになります。
できれば、もう少し楽しい形で味わいたかった。

次回:「志望動機? あなたがオファーしたからです!」47歳、面接と手書きエントリーシートに敗れる。

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