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『笑わない……』設定と当時の思考

あずみけいし短編小説『笑わない……』の作者の打ち明け話。そのイメージ画像『精巧な南部鉄器製のダンゴムシ』画像

作成年

 当時高校2年生。初めてパソコンを買ってもらった(NEC PC-9821 VALUESTAR)。

 とにかく何か作業がしたくて、意味もなく表計算ソフトのLOTUSとか開いて眺めたり、ソリティアとかを頭痛が来るまでやったりしていた。
 そんな中、当時夢中になっていたショートショートの巨匠『星新一』作品から、一般公募作品集の『ショートショートの広場』を知り、自分も書いてみたいと燃えたのが始まり。

 手持ちのナンバリングでいくと、16才頃の作品となる。


考えていたこと

 星新一作品もそうだが、当時大きく僕に影響を与えていたのは、『世にも奇妙な物語』や『トワイライト・ゾーン』などのオムニバスホラー。
 最後にどんでん返しが来る作品にドハマリしていて、登下校の自転車の上でも、風呂の中でも、トリックのアイデアに没頭していたのは良い思い出だし、トレーニングになっていたと思う。

 そんな中で、自分自身が歯並びを少し気にしていたし、フロイトの夢分析で『歯に関する夢』を知ったりして、何か主人公のコンプレックスと繋げられないかと考えていた。


トリックのアイデア

 歯並びの事、特に前歯に致命的な問題を抱えていたら、心理的にどうなるんだろう?

 そこから『気楽に笑うのも難しいよな……』『人前で歯を見せたくなくなるよな』など、行動を考えているうちに、一つのアイデアが生まれた。

 ─── コンプレックスから『笑うことができない』のではなく、そもそも『笑うことが阻害されていたら?』

 劣等感から生まれる行動が、実は感情の発露を奪われていたとしたら、その感情や怒りが戻った時にどんな行動が起こるのか。


推敲

 そもそもが『感情を阻害する何か』というあやふやな仕掛け。

 だからそれをわざわざ説明するような、納得感の強い原因と要素は考える必要がないと思った(考える力がなかったとも言う)。

 『なんか知らないけど、感情を吸われてた』

 そうなると、何が一番気持ち悪いかと考え、身近な所に無意識のまま潜んでいるのが嫌だなと。
 そして、怒りの感情があらわになるとして、それが『ダンゴムシ』のような、なんら脅威ではない存在だとしたら?

 そうしてラストへと繋がる事になった。

 ちなみに膝のデキモノの発想は、実際に中学の頃、膝に小豆粒大のしこりが出来たことがあった。
 それを体育の授業中、体育座りで暇を持て余し、潰してみた時に『にゅるー!』と勢いよく黄色い紐状のものが噴き出して、内心パニックになった事がある(今思えば脂肪の塊)。

 まさか自分の体からこんなものが噴き出すなんて、思いもよらなかった経験から、勝手に『人間は自分の膝のデキモノはノーマーク』みたいに都合よく処理していたなんて側面があったりする。


※この作品はこちらからどうぞ
⇒あずみけいし短編作品『笑わない……

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