
お店の内装が完成し、メニューも決まり、いよいよ開業が近づいてきた。
そんな時期になると、営業に必要な仕組みを次々に決めることになります。
キャッシュレス決済は何を導入するのか。
予約は電話で受けるのか。
問い合わせフォームは必要か。
食べログやホットペッパーグルメに登録するのか。
デリバリーサービスを始めるのか。
周囲のお店が使っているからと、すべて導入したくなるかもしれません。
しかし、サービスを増やすほど、管理するものも増えます。
小さな飲食店では、最初から全部をそろえるより、自分のお店に必要なものを見極めることが大切です。
キャッシュレス決済は早めに申し込む
キャッシュレス決済を導入する場合は、開業日より前に申し込みを進めておきましょう。
申し込んだ当日に、すぐ利用できるとは限りません。
審査、端末の発送、銀行口座の登録、初期設定などに時間がかかることがあります。
開業日から使いたい場合は、余裕を持って準備しておく方が安心です。
決済サービスを選ぶときは、対応している支払い方法だけでなく、手数料、入金のタイミング、端末代、月額料金なども確認します。
クレジットカード、交通系電子マネー、QRコード決済など、すべてに対応している方がよいように思えますが、実際に利用される支払い方法は地域や客層によって違います。
オフィス街、住宅街、観光地、学生街では、お客様が普段使っている決済方法も変わります。
また、レジ周辺に機器が増えすぎると、操作が複雑になることがあります。
混雑時でも迷わず使えるか、スタッフが変わっても扱えるかという視点も必要です。
開業後に別の決済方法を追加することもできます。
最初から完璧な構成を目指すより、よく使われる方法から始め、必要に応じて増やしていく方が無理がありません。
現金の案内も忘れない
キャッシュレス決済を導入しても、通信障害や端末の不具合などで、一時的に利用できなくなる可能性はあります。
現金も受け付けるお店なら、釣り銭やレジ内の管理方法も準備しておきましょう。
反対に、完全キャッシュレスのお店にする場合は、入店前に分かるように案内しておく必要があります。
会計時になって初めて現金が使えないと知ると、お客様が困ってしまいます。
店頭、メニュー、ホームページ、Googleマップなどに、利用できる支払い方法を書いておくと親切です。
予約システムが必要とは限らない
飲食店を始めるとき、「予約システムも導入した方がいい」と考える方は多いでしょう。
確かに、予約管理を自動化できれば便利です。
しかし、すべてのお店に本格的な予約システムが必要なわけではありません。
予約をほとんど受けない定食屋やラーメン店なら、システムを導入しても使われない可能性があります。
反対に、席数が少ないコース料理店や、来店時間が集中しやすいお店では、予約の管理方法をきちんと決めておく必要があります。
まず考えたいのは、予約をどの方法で受け付けるかです。
電話だけにする。
営業時間外はフォームで予約希望を受け付ける。
予約サイトを利用する。
LINEで問い合わせを受ける。
方法はさまざまですが、重要なのは、お店側が確実に確認できることです。
複数の窓口から予約を受けると、同じ席に予約を重ねてしまう危険があります。
電話予約は紙の台帳、予約サイトはオンライン、InstagramのDMはスマートフォンというように、情報が分散すると管理が難しくなります。
開業直後は、受付方法を絞るのも悪くありません。
「予約希望フォーム」と「予約システム」は違う
ホームページに予約フォームがあると、自動的に予約が確定すると思われることがあります。
しかし、フォームには大きく分けて二つの使い方があります。
ひとつは、空席状況と連動し、お客様が日時や人数を選ぶと予約が確定する予約システムです。
もうひとつは、お客様から希望日時を送ってもらい、お店が内容を確認してから返信する予約希望フォームです。
予約希望フォームは、仕組みが比較的シンプルです。
ただし、送信しただけでは予約が確定していないことを、はっきり書く必要があります。
「当店からの返信をもって予約確定となります」
「営業時間中に内容を確認し、ご連絡します」
「当日のご予約は電話でお問い合わせください」
このような説明があると、行き違いを防げます。
フォームから通知が届くメールアドレスも、定期的に確認しましょう。
迷惑メールへ振り分けられていないか、スマートフォンで通知を受け取れるかも、開業前にテストしておきます。
グルメサイトは目的を考えて選ぶ
食べログやホットペッパーグルメなどのグルメサイトは、多くの人にお店を見つけてもらえる可能性があります。
一方で、掲載内容や料金、予約の手数料、更新作業なども確認する必要があります。
すべてのお店が、同じサービスを使う必要はありません。
地域のお客様が中心なのか。
観光客を呼びたいのか。
宴会予約を増やしたいのか。
ランチの新規客を増やしたいのか。
目的によって、向いているサービスは変わります。
無料で登録できる範囲がある場合は、まず基本情報だけを整え、反応を見てから有料プランを検討する方法もあります。
営業担当者から提案を受けたときも、その場ですぐ決める必要はありません。
月額料金だけでなく、予約ごとに費用がかかるのか、契約期間はどのくらいか、解約方法はどうなっているかを確認しましょう。
また、グルメサイトに登録した場合でも、営業時間や価格が変わったら更新が必要です。
登録先を増やしすぎると、古い情報が残りやすくなる点には注意が必要です。
デリバリーは店内営業とは別の仕事になる
Uber Eatsなどのデリバリーサービスも、お店の売上を増やす方法のひとつです。
ただし、店内で出している料理を、そのまま容器に入れれば終わりというわけではありません。
配達中に崩れにくいか。
時間が経っても味が落ちにくいか。
容器代を含めて利益が出るか。
注文が集中したときに、店内のお客様を待たせないか。
こうした点を考える必要があります。
店内が忙しい時間にデリバリー注文も重なると、厨房の負担が一気に増えます。
開業と同時に始めるより、店内営業に慣れてから追加した方がよいお店もあります。
反対に、テイクアウトやデリバリーを主力にする業態なら、開業前から容器、受け渡し場所、調理の流れまで考えておく必要があります。
周囲のお店が利用しているからという理由だけで始めず、自店の料理と営業体制に合うかを考えましょう。
サービスを導入する前に、毎月いくら必要か考える
予約サービスやグルメサイト、キャッシュレス決済などを検討するときは、便利さだけでなく、毎月の費用も確認します。
一つひとつは小さな金額でも、予約システム、レジ、ホームページ、通信費、広告などが重なると、毎月の固定費は少しずつ増えていきます。
そのサービスを導入することで、どのくらい来店が増えそうか。作業時間をどのくらい減らせそうか。月額料金や手数料を払っても利益が残るか。
導入前に一度、数字へ置き換えてみましょう。
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最初から全部やらなくてもいい
開業前は、「これも必要かもしれない」「あれも用意しなければ」と不安になります。
しかし、新しいサービスを一つ導入すると、確認する画面、覚える操作、支払う費用、更新する情報が増えます。
キャッシュレス決済は必要。
予約は電話だけ。
グルメサイトは無料登録から。
デリバリーは営業が落ち着いてから。
このように、お店ごとに優先順位を決めて構いません。
大切なのは、お客様が迷わないことと、お店側が管理できることです。
利用できる支払い方法、予約方法、問い合わせ先、営業時間が分かりやすく案内されていれば、小さなお店でも十分に信頼してもらえます。
情報がInstagram、LINE、Googleマップ、予約ページなどに分かれている場合は、公式ホームページにリンクをまとめておくと、お客様にも案内しやすくなります。
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次回は、飲食店は月にいくら売れば続けられる?開業前に確認したい4つの数字についてです。
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