飲食店は月にいくら売れば続けられる?開業前に確認したい4つの数字

飲食店の開業準備をしていると、目に見えるものへ意識が向きやすくなります。

内装をどうするか。
どんな食器を使うか。
メニュー表はどのようなデザインにするか。
Instagramにはどんな写真を載せるか。

どれも大切な準備です。
ただ、その裏側で必ず考えておかなければならないのが、お店の数字です。

「一日にこれくらいお客様が来れば大丈夫だろう」

「この価格なら、たぶん利益が出るだろう」

「家賃は高いけれど、立地がいいから何とかなるだろう」

開業前は、どうしても希望を含んだ予想になりやすいものです。

実際に営業を始めれば、食材費だけでなく、人件費、家賃、光熱費、決済手数料、消耗品費など、さまざまな支出が発生します。

忙しく見えるのに利益が残らない、ということも珍しくありません。
難しい経営分析をする必要はありませんが、少なくとも次の4つは開業前に一度確認しておきたいところです。

原価率
月間売上の予測
損益分岐点
FLR比率

言葉だけを見ると難しそうですが、基本的な考え方はそれほど複雑ではありません。


まずはメニューの原価率を確認する

原価率は、料理の販売価格に対して、食材にいくらかかっているかを示す割合です。

たとえば、食材原価が300円の料理を1,000円で販売する場合、原価率は30%です。

ただし、原価率が低ければ必ず利益が多いとは限りません。

仕込みに長い時間がかかる料理は、それだけ人件費がかかります。

食材の廃棄が多いメニュー、調理に多くのガスや電気を使うメニュー、テイクアウト用の容器が必要な商品なども、食材原価以外の費用が発生します。

反対に、原価率が少し高くても、その料理を目当てにお客様が来店してくれるのであれば、看板商品として意味があります。

すべてのメニューを同じ原価率にそろえる必要はありません。

看板料理の原価率が高めなら、ドリンクやサイドメニューとの組み合わせで、お店全体の利益を整える方法もあります。

大切なのは、一品ごとの原価率だけを見て、一喜一憂しないことです。
それでも、価格を決める前に食材原価を確認しておくことは欠かせません。

材料費をきちんと足してみたら、想像していたより高かったということはよくあります。
仕入れ価格が変わったときや、料理の量を変更したときも、定期的に計算し直しましょう。


席数だけで売上を考えない

月間売上を予測するときは、席数客単価回転数営業日数などから計算できます。

20席のお店で、客単価が1,500円。一日に2回転し、月に25日営業する。

このような条件を使えば、大まかな月間売上を出せます。

ただし、毎日すべての席が埋まるわけではありません。

ランチは混んでも、午後はほとんどお客様が来ないかもしれません。平日は静かで、土日に売上が集中することもあります。

雨の日、猛暑の日、寒い日、連休の前後など、飲食店の売上はさまざまな条件に左右されます。
そのため、売上予測は満席を前提にせず、少し控えめな数字でも計算しておく方が安心です。

「順調にいった場合」
「通常の場合」
「お客様が少なかった場合」

このように複数の条件で試算すると、売上が予想より少なかったときにも慌てにくくなります。

また、月間売上だけでなく、一日にいくら売る必要があるのかも確認しておきましょう。

月商150万円と言われると大きな数字に見えますが、25日営業なら、一日あたり6万円です。

客単価が1,500円なら、一日に40人のお客様が必要になります。

ここまで分けると、現在の席数と営業時間で実現できそうか考えやすくなります。


損益分岐点は「最低限必要な売上」

損益分岐点とは、売上と費用がほぼ同じになり、利益も赤字も出ない売上のラインです。

簡単に言えば、これより売上が少ないと赤字になる目安です。

家賃、人件費、リース料、通信費など、売上が少なくても毎月発生する費用があります。
さらに、食材費や決済手数料のように、売上に応じて増える費用もあります。
これらをもとに、「最低でも月にいくら売る必要があるか」を考えます。

注意したいのは、損益分岐点を超えれば十分というわけではないことです。

損益分岐点は、あくまで利益がほとんど残らない最低ラインです。

厨房機器の故障、食材の値上がり、税金の支払い、急な修理などに備えるには、さらに余裕が必要です。
毎月必要な売上を考えるときは、損益分岐点より少し高い目標を設定しましょう。

損益分岐点が高すぎる場合は、売上を増やす方法だけでなく、固定費を減らせないかも考えます。

使っていない有料サービスはないか。
過剰な設備契約はないか。
営業時間に対して人員が多すぎないか。
家賃が売上規模に合っているか。

開業前であれば、契約する前に見直せるものもあります。


食材費・人件費・家賃のバランスを見る

FLR比率Fは食材費Lは人件費Rは家賃を表します。

飲食店の支出の中でも大きな割合を占める3つが、売上に対してどのくらいになっているかを見るための数字です。

食材にこだわりすぎると食材費が高くなります。

サービスを充実させるためにスタッフを増やせば、人件費が高くなります。

良い立地に広い店舗を借りれば、家賃が高くなります。

どれもお店の魅力につながる一方で、高くなりすぎると利益が残りません。
ただし、数字だけを見て、すぐに食材を安いものへ変えたり、スタッフを減らしたりするのは危険です。

業態によって、適切なバランスは違います。

高級食材を使うレストランと、ドリンクの注文が多い居酒屋では、原価の構造が同じではありません。
一人で営業する小さなカフェと、多くのスタッフが必要な大型店でも、人件費率は変わります。

FLR比率は、お店の良し悪しを一つの数字で決めるものではありません。
どの費用が大きくなっているのかを見つけるための手がかりとして使います。


計算結果は未来を断定するものではない

開業前に数字を計算しても、実際の営業がその通りになるとは限りません。

予想より多くのお客様が来ることもあれば、思うように売上が伸びないこともあります。

食材価格や光熱費が変わることもあります。

それでも、一度も計算しないまま始めるより、「この条件なら一日何人のお客様が必要か」「売上がどこまで下がると赤字になるか」を知っておく方が、開業後の判断はしやすくなります。

売上が少なかったときにも、ただ不安になるのではなく、

来店客数が少ないのか。
客単価が低いのか。
原価が高くなっているのか。
人件費や家賃の負担が大きいのか。

原因を分けて考えられるようになります。

数字が苦手な方は、最初から複雑な表計算を作る必要はありません。

無料の「Resto Count」では、食材原価と販売価格から原価率を計算できるほか、席数や客単価からの月間売上予測、損益分岐点、FLR比率の確認ができます。

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計算結果はあくまで簡易的な目安ですが、メニュー価格を決めるときや、物件の家賃を検討するとき、毎月の売上目標を考えるときのたたき台にはなります。

数字の見通しを立てたら、次はその売上を作るために、お客様へお店の存在を知ってもらう準備が必要です。

Googleマップ、Instagram、LINE、公式ホームページなどを整え、検索した人が営業時間や場所をきちんと確認できる状態にしておきましょう。

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